WHO、エボラ熱の緊急事態宣言を解除
(CNN) 世界保健機関(WHO)は29日、西アフリカのエボラ出血熱流行を受けて宣言した「公衆衛生上の緊急事態」の指定を解除すると発表した。
発表に先立ち開かれた緊急委員会では、患者が集中していたシエラレオネ、リベリア、ギニアの3カ国の状況について検討。その結果3カ国とも、最初のエボラウイルス感染の連鎖は断たれたと確認できる基準に達したと判断した。
ただ、単発的に再燃する現象は今も確認されており、最近ではギニアで8人が感染、うち7人が死亡した。しかしそうした症例については、現場で感染を食い止められる態勢が整っており、感染が広がる可能性は低いと判断したという。
エボラ感染者の精子の中には、発症から1年あまりの期間、ウイルスが残る可能性があることも分かっている。しかし確証の度合いは低く、そうした症例も今後さらに減少すると専門家は予想している。
今回の流行では、今年3月までの統計で約1万1320人の死亡が確認された。内訳はギニア2540人、シエラレオネ3956人、リベリア4809人のほか、ナイジェリアで8人、マリで6人、米国でも1人が死亡している。
WHOのマーガレット・チャン事務局長は、流行の拡大を防ぐ目的でかけられた渡航制限や輸出入制限などは解除するよう促すと同時に、今後の流行に備えた対策は継続し、ワクチン開発も続けるよう呼びかけている。