激戦地アレッポで停戦発効、米ロ合意受け シリア
ロシアのプーチン大統領は2カ月ほど前、ロシア軍の主要部分をシリアから撤収させると発表した。しかし爆撃機や戦闘機は今も日常的に発着を続けている。
ロシア国防相のコナシェンコフ報道官によると、ロシア軍機は過去4日間だけで87回にわたって過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」を空爆した。ラッカとデリゾールにあるISISの資産を狙ったとしている。
米ロの協議は国際社会がシリア全土での停戦の徹底を目指す一環として行われた。国連安全保障理事会は4日、英国とフランスからの要請を受け、アレッポ情勢に関する緊急会合を開いた。
英国のライクロフト国連大使は、シリア国民の国連に対する信頼は薄れつつあると述べ、信頼を取り戻すためには国連が大量殺戮(さつりく)を食い止めなければならないと強調。米ロの合意を歓迎するとしながらも、暴力を非難し、暴力の終結を求める声明を安保理が出す必要があると訴えた。
シリア人権監視団によると、アレッポでは衝突の激化で双方に多数の死者が出ている。反体制派が政府の掌握する地域を砲撃し、シリア軍が反撃する状況が続いているという。