中国、実は「トランプ大統領」を歓迎? その理由は・・・
「中国の指導者らはクリントン氏が嫌いかもしれないが、同氏とは協力可能であることは分かっている」と語るのは、アジア太平洋地域が専門のザ・ディプロマット誌の編集長を務めるシャノン・ティエッジ氏だ。
「一方のトランプ氏は、全くの未知数だ。本気で中国製品に最大45%もの関税をかけたり、南シナ海における中国の動きを牽制(けんせい)するために経済的圧力をかけるつもりなのか。また韓国や日本の核保有を容認するのか否かという問題もある。トランプ氏が大統領就任後にこれらのコメント通りに行動するか否かは不明だが、中国政府にとって大きな不安の種であることは間違いない」(ティエッジ氏)
中国でクリントン氏を長きにわたって支持しているのがフェミニストたちだ。
中国のフェミニストの間では、クリントン氏は大統領夫人だった1995年に北京で開催された国連の第4回世界女性会議で画期的な演説を行った人物として知られている。
またクリントン氏は中国の若いフェミニストたちも支援してきた。2015年に中国の若い女性人権活動家5人が拘束された事件について、クリントン氏はツイッターで「許し難い」とコメント。また女性の人権に関する会議を開催する一方で、女性人権活動家を取り締まった習近平(シーチンピン)国家主席を「恥知らず」と痛烈に批判した。
これに対し、中国政府も国営メディアを通じて、クリントン氏は選挙で勝つために中国叩きに躍起になっている「民衆扇動家」と批判した。