アルカイダ、ビンラディン容疑者の息子の音声公開 聖戦呼びかけ
(CNN) 国際テロ組織アルカイダは14日までに、同組織の元指導者で米軍に殺害されたオサマ・ビンラディン容疑者の息子の肉声を伝える動画を公開した。テロ組織の広報担当者として役割を広げている可能性もある。
動画が浮上したのは9日。ビンラディン容疑者の息子ハムザ・ビンラディン氏はこの中で、アルカイダから過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」までシリアで戦うさまざまな勢力のジハード(聖戦)主義者に対し、結束を呼びかけた。
また、米民間情報機関「SITEインテリジェンス・グループ」によると、パレスチナ「解放」のためとして、イスラエルやその後ろ盾となっている米国人に対する聖戦も訴えた。
ハムザ氏が登場するこうした動画が浮上するのはこの1年で2回目。アルカイダが「ビンラディン」という名前の持つインパクトを利用しようとしている可能性がある。
ハムザ氏の年齢は20代前半か20代半ばとみられ、アルカイダの次世代を担う存在である可能性がある。CNNのアナリストは、「アルカイダの他の指導者は50~60歳代で、ハムザ氏はこれよりはるかに若い」と指摘。現在は組織のプロパガンダを担っているという。幼少期から父親にかわいがられ、聖戦に関連するあらゆる教えに大きく感化されてきたとの見方も示した。
米軍特殊部隊が2011年、ビンラディン容疑者の潜伏先の建物を襲撃したとき、ハムザ氏は建物内にいなかった。現場で発見された文書によると、テロリストとしての訓練を受けるため別の場所に派遣されていたという。
ハムザ氏がテロ攻撃を計画するうえで作戦上の役割を果たしているか、または主にプロパガンダへの関与にとどまるのかは定かではない。
米国の情報当局者はハムザ氏について、現在の組織内部での役割は比較的小さいものの、将来は指導的な地位に据えることを狙ってアルカイダが育成している可能性もあるとの見方を示す。