サイクロンで死者21人、50万人が避難 バングラデシュ
(CNN) バングラデシュ南部の沿岸部が21日、サイクロンに襲われ、災害対策当局者によると少なくとも21人の死亡が確認された。多数の住民が避難している。
一部の地域は同日、風速約25メートルの暴風や300ミリ以上の豪雨に見舞われた。南部のバリサルや南東部チッタゴンでは特に被害が大きく、住宅数百棟が損壊したり土砂崩れが発生したりした。
サイクロンはこの数日間にインド東部カキナダでも450ミリを超えるなど大量の雨をもたらし、21日にバングラデシュに上陸した後は勢力を弱めながら北上を続けている。同国の一部では今後さらに50~150ミリの雨が予想される。
災害対策当局者によると、犠牲者の多くは倒木や倒壊した家屋、土砂の下敷きになって死亡した。死者はさらに増える恐れがあるという。
チョードリー災害対策復興相は記者会見で、沿岸部の広い地域が冠水し、約50万人が避難したと語った。停電に見舞われたり、交通が遮断されたりした地域も多い。
バングラデシュは海抜が低いことなどから、これまでもサイクロンで大きな被害を受けてきた。1991年に襲ったサイクロンでは少なくとも14万人が死亡したとされる。
東パキスタン時代の70年にはサイクロンで50万人が死亡。米海洋大気局(NOAA)によれば、熱帯低気圧の災害として20世紀最大の規模となった。近年は警戒システムや避難態勢の改善により、犠牲者を少数に抑えることができるようになっている。