イラク軍、ファルージャ近郊の要衝を奪還
一方、ファルージャについては政府軍の奪還作戦を前に、推定5万人あまりの市民が脱出できなくなっているとして、国連のイラク担当人道調整官リゼ・グランデ氏が25日の声明で危機感を示した。
イラク政府はチラシをまくなどして、軍が設置した「安全経路」を通って郊外の避難所へ脱出するよう住民に呼びかけている。
しかし活動家は、ISISが市民の脱出を阻止していると話す。国連によれば、脱出しようとして命を落とした住民もいる。
22日以来、これまでに無事脱出できたのは約800人。危険を冒して何時間も歩き、ファルージャから約30キロ南部の町に設置された避難所にたどり着いた人もいるという。
同地を脱出した住人の証言によると、ファルージャは政府軍が昨年12月に近郊の都市ラマディを奪還して以来、物資の供給ルートが断たれ、人道的に深刻な状況に陥っているという。
グランデ氏は、「食料の供給は限られ、厳格に管理されていて、医薬品は底を突き、多くの家庭は汚れた不衛生な水源に頼るしかなくなっている」と指摘した。