イスラエル首相、西岸入植地の拡大を決定 少女殺害の報復で
(CNN) イスラエルのネタニヤフ首相はこのほど、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸のヘブロン近郊にあるユダヤ人入植地「キルバト・アルバ」を拡大する決断を下した。この入植地では先週、イスラエル系米国人の少女(13)がパレスチナ人の男に殺害される事件が起きていた。
少女は6月30日、就寝中に自宅への侵入者に襲われて殺害された。犯人は入植地の警備要員に射殺された。
イスラエル当局者が3日、CNNに語ったところによると、ネタニヤフ首相とリーベルマン国防相は2日、現地で遺族らを見舞った後、少女の自宅近くに42棟の住宅を増設することを決めた。
地元メディアによると、この増設計画は1年半前に承認されたが、工事は凍結されていた。西岸地区での入植活動をめぐっては、国連をはじめ国際社会の多くの国が違法との見方を示している。
首相は3日の週例閣議で、「次回の閣議にキルバト・アルバの計画を提示し、全省庁を挙げて西岸の入植地を支援するよう指示する」と述べた。
イスラエルの入植活動を監視する同国の非政府組織(NGO)「ピース・ナウ」はただちに、和平プロセスに悪影響を与える計画だと非難する声明を出した。
パレスチナ保健省によると、少女を殺害した犯人はヘブロン東郊の村に住む17歳の男だった。ネタニヤフ首相は先週、「残忍なテロリストによる犯行」と非難する声明を発表。罰として犯人の家族の労働許可を取り消し、自宅取り壊しの承認を得る手続きを始めると表明していた。
イスラエル政府はさらに西岸地区へ部隊を増派し、ヘブロンやその周辺地区を封鎖する措置を取っている。