トルコでクーデター、政権と軍がそれぞれ勝利宣言 大統領「将校を逮捕」
軍は当初、国営放送TRTのキャスターに読み上げさせる形で声明を出し、エルドアン大統領率いる政府から権力を奪取して戒厳令を敷いたと発表。一方、トルコの国家情報機構の報道官はCNNに対し、クーデターは失敗したと主張した。ただ、現地からの映像によると、依然として軍とデモ隊の衝突が続いている。
エルドアン大統領は先ごろ、ビデオ通話アプリを通じてのテレビインタビューで、インタンブールやアンカラの広場に繰り出すよう国民に促し、「軍に答えを示してほしい」と訴えた。イスタンブールでは多くのデモ隊が軍用車の配備されている地域に繰り出した。
またユルドゥルム首相も国営アナドル通信に対し、クーデターは「民主主義と国家の主権意思に対する挑戦」であり、クーデターを試みた者は「最大限の代償」を支払うことになると述べた。
クーデターの首謀者は現時点で不明。エルドアン大統領は米国在住の宗教指導者、フェトフッラー・ギュレン氏の影響を受けた軍の部隊がクーデターを企てたと主張。だが、同氏の関連団体は「そのような主張は断固否定する」と述べた。
米国のケリー国務長官は「米国はトルコで進行中の事態を深い懸念を持って注視している」とする声明を発表。またトルコのカブソグル外相と会談し、民主的に選ばれたトルコの文民政権と民主制度にする米国の支持を伝えた。
英国など各国も状況を注視している。トルコは北大西洋条約機構(NATO)の加盟国で、イラクや隣国シリアでのISIS掃討作戦のために空軍基地を提供している。