色あせるチャイニーズ・ドリーム<2> 「競争力」失う中国
セネガル出身のムスタファ・ディエンさんによれば、中国の存在感が世界的に増すなか、アフリカの消費者は模造品を購入していることに気づき始めた。当然の帰結として、以前ほどお金を払わなくなったという。
また国際的な圧力の高まりを受け、中国当局は世界的なブランドの知的財産権を保護する姿勢を打ち出している。ディエンさんの携帯にも最近、広州郊外の工場経営者から、アディダスやナイキなどのロゴの使用を今年から控えるというメッセージが送られてきた。
為替レートの変動や労働者の賃金上昇により、工場製品の値段が上がったことも影響したという。製造業の時給が上がる一方で人民元高が進み、利益幅は減少した。ディエンさんは今、ベトナムやバングラデシュに目を向けている。
文化の違い
収益の減少に伴い、アフリカ出身者の多くは中国生活の負の側面をこれまでよりも強く意識するようになっている。