国連報告書、シリアの化学兵器使用を断定 米政府が非難
ワシントン(CNN) シリアのアサド政権や過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が化学兵器を使用したと断定する国連の調査結果が発表されたことを受け、米政府は25日、シリア政府を非難する声明を発表した。
米国家安全保障会議(NSC)は24日の声明で、「シリア政権が自国民に対し、繰り返し工業用塩素を兵器として使っていたことは否定できなくなった」と指摘。シリア政権が化学兵器禁止条約や国連決議に違反したとして非難した。
調査は国連と化学兵器禁止機関(OPCW)の主導で1年前に開始された。これまでにも何度も塩素が化学兵器として使用されたと伝えられていたが、シリアが決議に違反したと国際的に断定したのは今回の国連報告書が初めて。
報告書によれば、ISISも2015年8月に、民間人に対してマスタードガスを使用したとされる。
NSCの声明ではISISも非難。ISISの拠点空爆や化学兵器専門要員の拘束などの成果を強調し、「今後もそうした兵器の知識を持つ幹部を排除し、関連物質や化学兵器製造の試みを標的とする」とした。