空爆で重傷の女性が出産、医師団が懸命の蘇生 シリア
(CNN) 内戦が続くシリアの激戦地アレッポで、空爆に遭って重傷を負った女性が帝王切開手術を受けて赤ん坊を出産した。現地でその様子を映した映像が、英放送局を通じて公開された。
妊娠9カ月のメイサさんは7月、アレッポで病院へ行く途中、空爆に巻き込まれた。病院に運ばれた時には手足を骨折し、全身に破片が突き刺さってショック状態だった。
医師団は傷を負った腹部を帝王切開して赤ん坊を取り出した。しかし全身蒼白(そうはく)の赤ん坊は動かないままだった。
「心臓は動いてる?」という問いかけに、「いや」と答える医師。医師たちは気道を確保して、懸命に心臓マッサージを続ける。
赤ん坊に付いたままだったへその緒が揺れたのが、最初の生命の兆候だった。やがて心臓が鼓動を始める。
医師が両足を持って持ち上げ、尻をたたくと徐々に全身が血色を帯び、台の上に寝かされた赤ん坊がついに泣き声を上げた。
医師たちはようやく笑顔になった。
母のメイサさんの命も助かったという。
絶望的な状況の中に、一筋の希望が見えた瞬間だった。