テロで旅行者の流れに変化 スペインやブルガリアが人気
ロンドン(CNNMoney) フランスやエジプトなど、世界中から人気を集めてきた旅行先でテロが続発する事態を受け、観光客の流れに変化が起きている。
国際的な観光業界団体「世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)」トップ、デービッド・スコーシル氏がこのほどCNNMoneyとのインタビューで語ったところによると、旅行者は安全なイメージがあるかどうかによって目的地を選んでいる。その結果、スペインやポルトガル、イタリアを訪れる観光客の数が昨年に比べて約2~3割増えた。
過去1年間に起きた一連のテロで、何百万人もの旅行者がエジプトのピラミッドやパリのエッフェル塔、チュニジアの海岸、あるいはイスタンブールの大聖堂を訪れたいという夢を断念した。
特に大きな打撃を受けたエジプトでは今年、旅行者の数が5割近く激減している。
世界トップの旅行先として人気を誇ってきたフランスもこの1年、旅行者の消費額が減り続けている。WTTCは同国を訪れる旅行者の予想人数を下方修正した。
反対に思わぬ人気を集めているのが、国連世界観光機関(UNWTO)の統計で世界3位のスペインや同5位のイタリアだ。
英旅行代理店協会のショーン・ティップトン氏によると、スペインでは英国をはじめ世界各地から訪れる旅行者の数が史上最高を記録する見通しだ。
英国だけでなくドイツや北欧諸国、オランダからの旅行者にも同様の傾向がみられ、ホテルがパンク状態になっているという。
ブルガリアも脚光を浴びている。これまで人気の高かったギリシャやトルコに隣接し、黒海沿いの海岸が美しい。目立たない存在だった同国が、大にぎわいの観光地に生まれ変わりつつあるという。