ハンガリー検察、逃げる難民蹴った女性記者を訴追
(CNN) ハンガリー南部セゲド市の検察当局は7日、難民多数が殺到した対セルビア国境近くで昨年9月、逃げる難民の子どもを蹴るなどのビデオ映像が流れ、非難を浴びていたハンガリーのテレビ局のカメラ担当の女性を公共秩序妨害の罪で訴追したと発表した。
検察は声明で、調べの結果、被告の行為に民族や難民への偏見が絡んでいるとの証拠はなかったと述べた。難民の負傷もなかったが、「現場に居合わせた人々に怒りと非難を生じさせた」と訴追の理由を述べた。
被告による難民への暴行は、セゲド市郊外の難民キャンプで難民ら約400人が警察の規制線を突破して逃げた際に発生。腕に子どもを抱えて走り去ろうとする男性の足を引っかけて転倒させてもいた。
右派系のテレビ局「N1TV」所属の被告は難民問題の取材に当たっていた。問題のビデオ映像が公になった後、地元紙に謝罪の書簡を送り、現場の混乱におびえ、攻撃されるかもしれないと思い込んだと指摘。映像を再度確認した際には、「自分ではないようにも思えた」と振り返っていた。
同テレビ局はその後、被告の行動は到底容認出来ないとして解雇していた。
ハンガリー南部は当時、オーストリアやドイツを目指す難民がセルビア経由で殺到する問題に襲われていた。