イラクでISISの船舶への攻撃加速 米軍など
攻撃の頻度増加はイラク北部に位置するISISの主要拠点モスルの奪回作戦とも関連付けられている。作戦の本格開始は早ければ10月にも予想されている。ISISは防御戦術としてチグリス川を使った戦闘員輸送を試みているともされる。同川はイラク第2の都市であるモスル中心部を貫き、同市を2地域に分断もしている。
モスル奪取作戦に関連して、ISISはイラク軍の進攻を遅らせるため橋梁の破壊を進める可能性も指摘されている。爆発物1000キロを積み橋破壊に向かう高速ボートの阻止は地上の即製爆弾に対する防御よりははるかに困難との見方もある。
イラクを歴史的に見た場合、両川の制圧は軍事作戦にとって極めて重要な要因となってきた。第1次世界大戦中、英国軍はオスマン帝国との戦いで小型の武装哨戒艇を両川に配備してもいた。米ワシントンにある戦争研究所の海軍問題研究者はイラク軍は河川戦闘には未熟なためそれだけ有志連合への依存が大きくなる。
この研究者は、ISISが多数の船舶を失ったとしても補充の方途には事欠かないと指摘。両川を利用している漁師、農民や他の住民から追加の船舶を奪えると述べた。