安保理、アレッポ空爆巡り緊急会合 米ロの非難合戦続く
(CNN) シリア停戦の崩壊を受けて25日、国連安全保障理事会の緊急会合が開かれ、シリア政府によるアレッポ空爆を巡って各国の非難の応酬が続いた。
米国のサマンサ・パワー国連大使は「ロシアがやっているのは対テロ作戦ではない。蛮行だ」と語気を強め、「平和を追求する代わりにロシアとアサド(シリア大統領)は戦争を起こしている。救命支援物資を市民に届ける支援を行う代わりに、人道支援車両や病院、必死で人命を救おうとする救助隊員を爆撃している」と主張した。
これに対してロシアのチュルキン大使は、米軍率いる有志連合の反体制派支援が人道支援活動を妨げていると述べ、「アレッポの人道状況は8月に正常化できていたはずだった。だがそれができなかったのは、武装集団が妨害したためだ」と反論している。
緊急会合は、反体制派が制圧するアレッポ東部の奪還を目指すシリア政府軍の作戦を巡り、米国と英国、フランスの要請で開かれた。
シリアのジャファリ大使は、反体制派に制圧された地はアレッポも含めてすべて政府が奪還する計画だと宣言した。
英国のジョンソン外相は同日、ロシアにはシリア内戦を長引かせ、惨状をさらに悪化させている罪があると非難。国連の潘基文(パンギムン)事務総長も、シリア政府による人口密集地への空爆や焼夷弾(しょういだん)、「バンカーバスター」の使用などは戦争犯罪に当たる可能性があると警告していた。
シリア政府軍は24日、アレッポ攻撃で初の地上戦を展開。国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、北東部郊外にあるパレスチナ難民キャンプを支配下に収め、東部は戦闘機を使って空爆した。