伊マフィア首領を食器棚裏の隠し部屋で逮捕、11年から逃走
(CNN) イタリア国家警察は6日までに、同国南部のレッジョカラブリアの民家で台所の食器棚から通じる「隠れ部屋」に潜んでいた2011年から行方を追っていたマフィアのボスを逮捕したと発表した。
警察が公表したビデオ映像には、この隠れ部屋から出て来たアントニオ・ペッレ容疑者が面前の警官に毒づく様子も収められている。
部屋には小さなマットレス、枕、トイレットペーパーと携帯式の扇風機があったという。有罪が確定した場合、麻薬密輸やマフィア組織への関与の罪などで最大20年の禁錮刑が下される可能性がある。
同国のANSA通信によると、ペッレ容疑者は「マンマ」の異名で知られ、11年に逮捕されたが収容先の病床から脱走。イタリアの最も危険な逃走犯10人の中に含まれて手配されていた。
同容疑者は2014年以降、カラブリア州を本拠とする集団犯罪組織「ヌドランゲタ」の首領として知られるようになった。同組織は中南米、カナダや米国での麻薬密輸に関与しているとされる。07年には自ら率いる一味の内輪もめでドイツ・デュイスブルク市で6人を殺害した事件も起こしていた。
米連邦捜査局(FBI)によると、ヌドランゲタの誕生は1860年代にさかのぼるとされ、誘拐、汚職、麻薬密輸、賭博や殺人など広範な犯罪への関与が指摘されている。