英情報機関トップが語る「ロシアの脅威」、多様な工作に警戒
ロンドン(CNN) 英情報局保安部(MI5)のアンドリュー・パーカー長官は1日付の英紙ガーディアンに掲載されたインタビューで、ロシアが英国や欧州全体に及ぼす脅威は増大しているとの見方を示した。
現役のMI5長官が新聞社のインタビューに応じたのは初めて。パーカー長官は「英国が直面する諸外国からの隠れた脅威」に言及し、特にロシアが「宣伝工作やスパイ行為、反政府活動、サイバー攻撃」などの手口を駆使しながら攻勢を強めていると主張。この脅威を阻止するのが「MI5の仕事だ」と述べた。
また「ロシアは過去数十年間にわたってひそかに脅威を及ぼしてきたが、最近は手口が多様化している点が従来と違う」「ロシアは自国を欧米への対抗勢力と位置付ける傾向を強め、その位置付け通りに行動しているようだ」と語った。
これに対してロシアのペスコフ大統領報道官は1日、モスクワでの記者会見で「事実ではない。同意しかねる」と述べ、長官の発言をはねつけた。
在英ロシア大使館は「専門家が宣伝工作で作った架空の世界にとらわれているのは悲しい光景だ」とツイートし、冷戦時代の思い込みを皮肉った米映画「アメリカ上陸作戦」のポスターの画像を投稿した。