台湾で演習のシンガポール装甲車、香港で摘発 中国の意向か
中国の英字紙グローバル・タイムズは差し押さえられた装甲車について、没収して解体すべきだとする主張を展開。台湾の国防部からは、自軍のものではないとして、コメントはなかった。香港税関は調査中と説明している。
シンガポール国防相は29日に香港の当局者や運輸会社のAPLと会い、装甲車が差し押さえられた理由をはっきりさせたいと話している。
香港・嶺南大学の張泊匯教授は今回の問題の背景について、シンガポールは台湾と長年の防衛協力関係にあり、国土が狭いことからこれまでも台湾で演習を行ってきたと解説する。
「中国がこれについてシンガポールを公に非難したことはこれまでなかったと思う」「真の問題は、シンガポールが米国の疑似同盟国になったと中国が考えていることにあるようだ」と同教授は述べ、「関係が悪化する中で、中国がシンガポールに教訓を思い知らせ、不満の意を伝えるための戦略かもしれない」と推測する。
張教授によると、シンガポールは米国との軍事関係を強化していて、南シナ海の領有権争いでも中国に対して国際仲裁裁判所の判断に従うよう求めていた。