ギリシャ難民キャンプに降雪 テント倒壊、低体温症も
人権団体アムネスティ・インターナショナルの欧州支部はギリシャの島に滞在する難民の現状について「過密状態、寒波、温水の欠如、憎悪に起因する襲撃に直面している」と述べ、難民を島から本土へ移動させるよう訴えている。
UNHCRの報道官も、寒波の到来が迫った6日の記者会見で、エーゲ海の島からギリシャ本土に難民を移動させる対応を急ぐ必要があると強調し、「この週末には各島で気温の低下が予想される」と危機感を示した。
UNHCRによれば、欧州連合(EU)の分担合意に基づいて1月4日までに加盟国が受け入れた難民や、受け入れを予定している難民は約7800人にとどまる。これは昨年、各国が受け入れに合意した6万6400人の約12%にすぎない。
昨年11月にUNHCRはEU援助部門から2500万ユーロ(現在のレートで約30億円)の拠出を受け、冬への備えに充てると述べていた。
しかし国境なき医師団の関係者は、この資金があれば現在のモリアキャンプのような窮状は避けられたはずだと指摘、「これ以上事態が悪化すれば、完全に防止できたはずの死者が出始めるだろう」と予想する。