大気汚染が広げる北京の環境格差<1> 健康には代えられない
南京大学環境学院は、中国全土の74都市で2013年に報告された死亡事例300万件以上を分析。昨年11月に発表された調査によれば、このうち31.8%は大気汚染との関連が指摘できることが判明した。中でも、北京を取り囲む河北省の諸都市の数値は最悪の水準に達した。
米・南カリフォルニア大学のマシュー・カーン教授はCNNにメールで、「大気汚染は中国の都市部における不平等を悪化させている」と指摘。「富裕層は北京の中でも比較的汚染を免れた地域に住んでおり、汚染がひどい日には車で通勤したり、室内で働いたりすることができる。良い医者にかかることができるほか、地方に別荘を所有していたり、高価で性能の良い空気フィルターを持っていたりもする」と述べた。
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次回「大気汚染が広げる北京の環境格差<2> 『吸う空気』すら異なる」は3月14日公開