ソマリア沖で石油タンカー乗っ取り 海賊か
(CNN) アフリカ東部ソマリア沖で13日、石油タンカーが乗っ取られたことが分かった。海賊による犯行との可能性も指摘されている。
乗っ取られたのはギリシャ企業が所有する給油船で、船籍国はインド洋の島国コモロ。ソマリア北方の隣国ジブチから首都モガディシオへ向かう途中で消息を絶った。
ドバイに拠点を置く英海軍の海運情報収集センター(UKMTO)の報道担当者はCNNに対し、タンカーが何者かに乗っ取られ、「意に反して別の場所へ移動させられた」との見方を示した。ただし今のところ身代金の要求はなく、海賊による犯行とは断定できないとも語った。
ソマリア沖には米軍が主導する合同海上部隊(CMF)の海賊対処チームが派遣された。
タンカーの船籍は昨年1月にスリランカからコモロに変更されたという。スリランカの海運当局者によると、当時はスリランカ人8人の乗組員が登録されていたが、乗っ取られた時点で他国のメンバーが乗船していたかどうかは明らかでない。
ソマリア沖ではかつて海賊事件が続発していたが、国際部隊によるパトロールなどが功を奏して近年は沈静化。2012年に石油タンカーが10カ月にわたり抑留された事件を最後に、大規模な襲撃は途絶えていた。
ソマリアでは最近、干ばつによる食糧危機が深刻化している。海賊が活動を再開すれば、同国への支援活動も影響を受ける恐れがある。