核戦争を生き延びるためのガイド本、英博物館が復刻

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家具、書籍や衣類などを積み上げた屋内避難シェルターを描いた図=帝国戦争博物館

家具、書籍や衣類などを積み上げた屋内避難シェルターを描いた図=帝国戦争博物館

靴の汚れを落とし、カーテンを引き、ラジオで情報を入手するといった手引きに加えて、背筋が寒くなるような内容もある。「攻撃によって負傷者が出れば、恐らくは数日間、医療支援を受けずにあなたが手当てをしなければなりません。救急措置に必要な物資をサバイバルキットの中に入れるのを忘れずに」

救急用品の内容は、アスピリン、コットン、ばんそうこう、ワセリンなど。それ以上の手当てを要する重傷者への対応については記載されていない。しかしシェルター室に避難している間に死者が出た場合の措置として、「遺体を別の部屋に置いてできるだけしっかり覆うこと。もし5日以内に指示がなければ、安全に外出できるようになり次第、仮の場所に埋葬し、その場所が分かるようにしておかなければなりません」と記している。

帝国戦争博物館の上級学芸員、マット・ブロスナン氏は復刻版の前書きの中で、1980年にこのガイドが発行された経緯ついて、「核戦争の可能性が1962年のキューバ危機以来、最も高くなっていた」と解説する。

旧ソ連は1970年代後半、精度を高めた新型のSS20ミサイルを東欧に配備した。これに対抗して北大西洋条約機構(NATO)は西欧の核ミサイル能力拡張を計画。米国の弾道ミサイルと巡航ミサイル約600発の欧州配備が計画され、英国だけでも160発が配備される予定だった。

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