殺害動画の子どもの母親、中継に気づくも救えず タイ
(CNN) タイ・プーケット島で男が生後11カ月の娘を殺害する場面をフェイスブックで中継した事件で、娘の母親がこの映像を見ていたことが、27日になって判明した。同日、CNNの電話取材に応じた母親は、まだひどく動揺した様子だった。
母親の女性は事件当時、親類の男性と一緒だった。スマートフォンでフェイスブックを見ていたこの男性が、突然女性の娘の名前を叫んだのだ。
親類の手から奪い取った携帯の画面に映っていたのは、恐ろしい光景だった。「娘が首にロープを巻かれて座っていた」「夫がそのロープを何かに結び付けていた」
女性はすぐ警察に通報するよう親類に頼み、娘を救おうと大急ぎで自宅に戻った。しかし既に手遅れだった。
地元の警察によると、男は娘を殺害し、自分も首をつって自殺した。2人の遺体は24日夜、同島南部の廃屋の中につり下げられた状態で見つかった。男のフェイスブックのページには、娘の殺害と自殺の2本のビデオが投稿されていた。
警察によると、男は以前から妻に暴力を振るっていた。自殺の前日にも、妻のフェイスブックのプロフィール写真を変えようとしてけんかになり、妻は夫に脅えて家を出ていたという。
妻が中継を見たのが午後5時ごろ、帰宅したのは6時ごろだった。警察は中継が始まった約1時間後の6時半ごろ、現場に到着した。
タイのデジタル経済社会省によると、男のフェイスブックのページに掲載されていた娘殺害の動画は、約24時間後の25日午後に削除された。同省がフェイスブックと連携して削除する措置を講じたとしている。