トランプ氏、韓国にTHAAD費用10億ドルを要求
香港(CNNMoney) トランプ米大統領は29日までに、韓国への配備が進められている高高度迎撃ミサイルシステム 「THAAD(サード)」の費用として10億ドル(約1100億円)の負担を韓国側に求める考えを示した。米ロイター通信とのインタビューで明らかにした。一方、韓国国防省は、費用を負担するのは米国側だとの認識を改めて示した。
トランプ氏はこの中で、「韓国が費用を負担するのが適切だろうと韓国側に伝えた」言及。「あれは10億ドルのシステムだ」と述べた。
THAADは北朝鮮のミサイルの脅威を低減するため韓国への配備が進められている。配備を巡っては、既に韓国国内で緊張が生じているほか、中国との関係も悪化。トランプ氏の今回の発言により状況が一段と複雑化する可能性もある。
韓国の韓民求(ハンミング)国防相は、同国はTHAADの費用を負担しないとの方針を再三表明。韓国国防省は28日の声明で、「韓国政府がTHAADの用地とインフラを提供し、米国側が配備や運営、維持の費用を負担するという我々の基本的な立場に変更はない」と述べた。
また韓国当局者は同日、CNNに対し、米韓両軍の高官の間で昨年署名された「秘密合意」の中で「米国がTHAADの配備費用を負担する」と明記されていることを明かした。
THAADの一部は今週、配備用地に到着した。当局者らは近日中に運用が可能になるとの見通しを示している。
大統領選の先頭を走る文在寅(ムンジェイン)氏の外交顧問、金基仲・延世大学教授は「韓国人だけでなく韓国内の米国人や米国土なども守るためにTHAADが配備されていることを踏まえると、米国が韓国に費用負担を求めるのは恥知らずだ」と述べた。