トランプ米大統領、「嘆きの壁」を訪問 現職大統領として初
エルサレム(CNN) 中東歴訪中のトランプ米大統領は22日、米国の現職大統領として初めて、エルサレム旧市街にあるユダヤ教の聖地「嘆きの壁」を訪問した。
ユダヤ教徒の帽子ヤムルカを着けたトランプ大統領は、嘆きの壁に右手を当て、身体をかすかに前後に揺すりながら1分近く目を閉じていた。続いてポケットから折り畳んだ紙片を取り出すと、壁の割れ目に置いた。
トランプ氏の訪問には、義理の息子でユダヤ系のクシュナー上級顧問と、ユダヤ教指導者のラビノビッチ師が同行した。一方、イスラエルの政府当局者は同行しなかった。
メラニア夫人と娘のイバンカ氏も、壁の女性用の区画で祈りをささげた。
米国をはじめ、国際社会はエルサレムをイスラエルの首都とは認めていない。パレスチナなど国際社会の大半は、旧市街のある東エルサレムが将来のパレスチナ国家の首都になると考えている。
嘆きの壁は、歴代の米大統領経験者も訪問しているが、いずれも就任前か就任後の訪問だった。
トランプ大統領は就任前まではエルサレムをイスラエルの首都として認め、米大使館をテルアビブからエルサレムに移すと公約していたが、現時点ではその公約を果たしていない。
当初は23日のエルサレムの日に合わせて大使館移転の発表を行うことも検討したが、米国内やアラブ諸国から、対立が激化して和平交渉再開のチャンスが損なわれると指摘され、発表を見送った経緯がある。