コプト教徒のバスに襲撃、28人死亡 エジプト
カイロ(CNN) エジプト中部ミニヤ県で26日、キリスト教の一派コプト教の信者を乗せたバスが武装集団に銃撃され、少なくとも28人が死亡、23人が負傷した。当局者らはテロ攻撃との見方を示している。
エジプト内務省がCNNに明かしたところによると、軍服を着用しマスクで顔を覆った襲撃犯10人が、四輪駆動車3台からバスの乗客に発砲した。一行はミニヤ市の北西約100キロの地点にある修道院に向かう途中だったという。犯行グループは特定されていない。
ミニヤ県知事はエジプトの衛星放送局ONTVに、負傷者の一部は重体だと言及。死傷者の中には子どもも含まれていると明かした。
国営ナイルTVによれば、エジプトのシーシ大統領は、テロリストの拠点に対し事件の数時間後に空爆を行ったと発表した。空爆の正確な場所は不明だが、ナイルTVは、シナイ半島やリビアとの国境地帯に潜むテロリストが標的になったと伝えた。
トランプ米大統領は26日、声明で「エジプトにおけるキリスト教徒の容赦ない殺害により我々の胸は引き裂かれ、魂は悲しみを覚えている」などと述べた。
エジプトでは先月、キリスト教の祝日にコプト教会2カ所が襲撃され、数十人が死亡。過激派組織「イラク・シリア・ イスラム国(ISIS)」が犯行声明を出していた。この攻撃を受け、エジプトは依然として3カ月間の非常事態下に置かれている。
どの勢力の今回の銃撃に及んだのか現時点では不明。ただコプト教徒は近年、ISISの戦闘員から何度か標的にされており、暴力が続く状況を受け一部の町からはコプト教徒の大量脱出が起こっている。
コプト教徒はエジプトの人口の約10%を占める。その神学はエジプトにキリスト教をもたらしたマルコの教えに基づいている。