英テロ容疑者、爆発15分前にリビアの弟と電話
イングランド・マンチェスター(CNN) 英マンチェスターのコンサート会場で起きた自爆テロ事件で、リビアの首都トリポリに拠点を置く政府系民兵組織の報道官は27日までに、サルマン・アベディ容疑者が爆発物を起爆させる15分前にリビアにいる弟と電話で話していたと明らかにした。英当局は、今回の攻撃の背後にあるとみるネットワークの抑え込みを図っている。
リビア内務省の管轄下にあるとされる民兵組織「特別抑止部隊」は、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」とつながっていた疑いがあるとして、サルマン容疑者の弟のハシム・アベディ容疑者を事件翌日に拘束していた。兄弟の父親も拘束したという。
同報道官はリビアのテレビに、ハシム容疑者は兄の動向を把握しており、今回の計画についても知っていたと言及。両容疑者は犯行の数分前に電話で話していたと明かした。ただハシム容疑者は取調官に対し、爆発を起こす予定の場所や日時についての詳細は知らなかったと供述したという。
英捜査当局者は、サルマン容疑者はさらなる攻撃を企図しているネットワークの一員だったと見て、24時間態勢でサルマン容疑者の仲間の行方を追っている。
ウォーレス安全保障担当相は26日、CNNに、「我々は目下、今回のネットワークを追跡して包囲し、その封じ込めを図っている。逮捕件数からも分かるように、我々はネットワークの封じ込めに向けて適切に対応している」「最終的にはネットワークの全容解明を行う」と述べた。
27日には、当局がマンチェスター出身の男1人を逮捕。これにより拘束された人物は計11人に達した。マンチェスター警察によれば、2人は訴追されることなく釈放されている。