「愛」を歌って自爆テロに対抗、中東のラマダンCMが話題に

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イスラム教の断食月「ラマダン」とは

ドバイ(CNNMoney) イスラム教のラマダン(断食月)に合わせて、テロの犠牲者が自爆テロ犯に立ち向かう姿を描いたCMがこのほど中東で公開され、多くの人の心をとらえている。

CMはクウェートの携帯電話会社ザインが、ラマダンの始まりに合わせて27日からテレビで放送を開始した。以来、ユーチューブで240万回近くも再生されている。

冒頭には自爆ベルトを身体に巻き付けた男が登場。そこへ女の子の声が流れ、「あなたはお墓を子どもたちでいっぱいにして、学校の机を空にした」と語りかける。

地元の人気歌手、フサイン・アル・ジャスミさんは歌う。「愛で神を礼拝しよう。テロではなく愛で」「思いやりの信仰を。厳しさでなく優しさを。敵に立ち向かおう、戦争ではなく平和で」

バスを狙って自爆した実行犯の男は、現場を歩きながら、負傷してほこりにまみれた被害者たちを目の当たりにする。その中の1人、顔が血まみれになった男の子は、シリアのアレッポで瓦礫(がれき)の中から救出された姿が世界中で有名になったオムラン・ ダクニシュ君に似ている。

男がイスラム教の言葉を唱えると、前に立ちふさがる人たちがその内容を訂正。過去にクウェートやヨルダンで起きたテロで生き残った人たちも登場し、テロリストを追い詰める。歌手のジャスミさんは男に手を差し伸べて、「暴力には慈しみの爆弾を、過激主義にはもっといい人生の爆弾を浴びせよう」と歌いかける。

ラマダンの間は断食をしながら家族で集まってテレビを見て過ごすことが多く、各社がCMに力を入れる。ザインは過去にも平和を訴えるCMなどで注目を集めていた。

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