テヘラン同時テロ、12人死亡 革命防衛隊はサウジの関与を示唆
テヘラン(CNN) イランの首都テヘランで7日発生した襲撃事件を巡り、イランの革命防衛隊は声明を出し、事件はサウジアラビアの支援のもとに行われたとの見方を示唆した。狙われたのは国会議事堂とホメイニ廟(びょう)という象徴的な場所で、少なくとも12人が死亡した。
事件について、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」のメディア部門であるアマク通信は「ISISの戦闘員」が襲撃を実行したと伝えた。イスラム教スンニ派であるISISが、シーア派が多数を占めるイラン国内での襲撃で犯行声明を出したのはこれが初めて。
ゾルファガリ内務次官によれば、現地時間午前10時ごろ、女装した4人の襲撃犯が議事堂の正門に突入して銃撃を始めた。
襲撃犯らは複数の人質を取り、少なくとも1件の自爆攻撃を行った。当局によれば、襲撃犯は4時間のうちに制圧された。イランの政府系ファルス通信は襲撃犯は治安部隊によって殺害されたと伝えている。
同じ頃、郊外にあるホメイニ廟でも銃撃が始まった。ファルス通信によれば1人が逮捕された。
革命防衛隊は、今回の事件について、5月のトランプ米大統領のサウジ訪問と関係があると主張。「世界の、特にイラン国内の世論では、このテロ行為がこれまで一貫してテロリストを支援してきた反動的な地域諸国の1つの首脳と米大統領との会談の直後に行われたという点に大きな意味があると見ている」と声明で述べた。
名指しこそしてはいないが、これはサウジを指しているとみられる。
スンニ派が国民の多数を占めるサウジアラビアと、シーア派が多数派のイランは長年、緊張関係にある。