シンガポール、過激思想で1人拘束 女の容疑者は初
(CNN) シンガポール外務省は12日、同国で幼稚園の補助員を務めていた女が今月、過激思想に染まった容疑で拘束されたと明らかにした。同容疑で女の容疑者が逮捕された前例はないという。
外務省の発表によると、この女は2013年に過激主義に転向。14年以降、インターネット上で過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」を支持する内容の投稿や共有を繰り返していた。拘束される直前には、幼い自分の子どもを連れてシリアへ渡る計画を立てていたという。
本人の供述によれば、ISISの支持者と結婚して子どもとともにシリアで暮らそうと、15年から相手を探していた。結婚相手がISISの戦闘員になったらそれを支えるつもりだった。相手が戦いで死んだ場合は「夢のような報酬」を受け取れる、と信じていたという。
外務省によると、女の家族は15年の時点で過激思想に気付き、やめるように説得を試みたが失敗に終わった。ただし、この件を当局には通報しなかったという。
同省は、過激化やテロ活動が疑われる人物については家族や友人からの通報が非常に重要だと強調。この女ももっと早い段階で通報があれば、過激化を阻止することができたかもしれないと指摘している。
専門家によると、欧米の女性がシリアやイラクへ渡った例はこれまでにも多数ある。ISISは独自のイスラム社会を築くために、戦闘員と結婚し子どもを育てる構成員として女性を求めている。