北朝鮮、米国人学生を解放 1年以上昏睡状態
平壌(CNN) 北朝鮮が昨年1月に拘束した米国人学生、オットー・ワームビアさん(22)を釈放したことが13日に分かった。ワームビアさんは1年以上前から昏睡(こんすい)状態とされ、同日深夜に出身地オハイオ州の病院に到着する見通しだ。
ワームビアさんの両親は声明で「昏睡状態を知らされたのはわずか1週間前だ」と述べた。
米国務省高官が北朝鮮側の話としてCNNに語ったところによると、ワームビアさんは収監後の約1年前にボツリヌス症にかかり、睡眠剤を服用した後で昏睡状態に陥ったとされる。
ワームビアさんは北朝鮮への旅行中、滞在先のホテルから政治標語の掲示物を盗もうとした疑いをかけられ、帰りの便に搭乗しようとしたところで拘束された。昨年3月に「敵対行為」の罪で有罪となり、15年の労働強化刑を言い渡された。
北朝鮮にはワームビアさんのほかに3人の米国人が拘束されている。同高官の話によると、米国は昨年3月以降、北朝鮮に対し、米国の利益代表を務めるスウェーデン当局者と拘束中の4人との面会を認めるよう働き掛けていた。
北朝鮮は約1週間前に面会を許可すると発表した直後、米国務省のユン北朝鮮政策担当特別代表との会合を申し入れ、ワームビアさんの病状を伝えてきたという。
別の国務省高官は、ワームビアさんが昏睡状態となった時期や原因について、北朝鮮側の説明を受け入れたわけではないと強調。医師による詳しい検査が必要だと述べた。
北朝鮮には米プロバスケットボールNBAの元スター選手、デニス・ロッドマン氏が13日から4泊の予定で滞在しているが、米国家安全保障会議(NSC)の報道官はワームビアさんの釈放とは無関係だと明言した。