モスル奪還、首相が正式宣言 復興に課題も

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イラク国旗を手に、モスルの完全な解放を宣言するアバディ首相(中央)

イラク国旗を手に、モスルの完全な解放を宣言するアバディ首相(中央)

(CNN) イラクのアバディ首相は10日、北部モスルが過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」から解放されたと正式に宣言した。だが、がれきと化した街を再建し、安定した統治を確立するまでの見通しは、まだ定まっていない。

アバディ首相は「解放された自由なモスルの中心より、イラク国家と国民の大きな勝利を宣言する」と述べた。

米主導の有志連合も、イラク軍の部隊は対ISIS戦で「市民の命を守るよう尽力しつつ、目覚ましい前進を遂げた」と称賛の言葉を寄せた。

イラク軍部隊は、モスル旧市街のチグリス川沿いに国旗を立てて勝利を宣言した。ただ10日午前の時点で、市内のごく限られた一角では戦闘が続いていた。

この先、モスル復興までの道のりは長く厳しい。専門家によれば、イラク政府はまず、一面がれきと化したモスル西部から避難を強いられている40万人以上の市民に、生活基盤を提供する必要がある。旧市街地区の再建にかかる費用だけでも10億ドル(約1100億円)に及ぶと推定される。

CNN取材班が訪れた一部の地区では、道路に車が行き交い、仮設市場も営業するなど、日常の光景が戻り始めていた。

モスル奪還作戦では、郊外の村がいったん解放されても、部隊が去った後でISISが戻ってくるケースが多かった。一部の村では、舞い戻ったISISに多数の住民が処刑された。

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