スペイン当局、住民投票巡りカタルーニャ州高官を拘束
(CNN) スペインの警察は21日までに、独立の是非を問う住民投票を計画しているカタルーニャ自治州の複数の政府機関を家宅捜索するとともに、高官ら9人を拘束した。州首相はこうした動きに反発しており、住民投票を強行する構えを見せている。
プッチダモン州首相はカタルーニャが「スペイン政府の内務省による一斉攻撃の標的」となったと述べるとともに、「事実上の非常事態」を敷いたとして中央政府を非難した。
プッチダモン州首相は「自由は停止され、抑圧されている」と述べ、家宅捜索には「法的根拠がない」と批判。「スペイン政府は専制的・抑圧的な体制と自らを分かつ一線を越えた」と述べた。
州政府は計画通り住民投票を10月1日に行う構えで、州首相は州民に対し、住民投票に投票することで「圧政的で脅迫的な体制から民主主義を守る」よう呼びかけている。
中央政府は、住民投票は違法であり、州当局者がその準備を行うことも違法行為にあたると主張。ロイター通信によれば、憲法裁判所は、憲法でスペインという国家は分割できないと定められているとの中央政府の主張を受け、住民投票の差し止めを命じる決定を下している。
スペイン内務省によれば、住民投票の実行に欠かせない多数の書類がバルセロナ近郊の倉庫で押収された。その中には、有権者名簿などが含まれている。
スペインのラホイ首相は20日、ツイッターで演説動画を公開し、州首相の主張に反論した。「カタルーニャで起きているのは国家主権を解体しようという試みだ」と指摘。国家の姿がどうあるべきかについては、すべてのスペイン人に発言権があると主張した。