シンガポール、自動車の台数に上限 来年から増加率を0%に
香港(CNNMoney) シンガポール当局は24日までに、かねて施行している自動車交通の抑制策を来年2月から強化する方針を明らかにした。同国で新たに車を所有することが、これまでよりさらに難しくなる。
シンガポールでは従来、車の所有者に特別な権利証の取得を義務付け、台数の増加率を年間0.25%以下に抑えてきた。来年2月以降はこれを0%まで引き下げる。つまり新たに車を持とうとする人は、だれか別の人が権利証を放棄するのを待たなければならなくなる。
当局によると、新たな抑制策は永続的な措置というわけではなく、2020年にいったん見直す方針だという。
シンガポール陸運当局はこの措置について、交通渋滞やスペース不足の緩和が目的だと説明している。
同時に公共交通機関の利用を促すため、鉄道、バス交通網の新設や拡張に今後5年間で280億シンガポール・ドル(約2兆3000億円)の予算を投入する計画だ。
当局は現在、有効期限10年の権利証の競売を毎月実施しているが、その価格は5万シンガポール・ドル(約420万円)にも及ぶ。
車自体にも各種の税金や関税を課しているため、小型のSUV(スポーツ用多目的車)を1台購入するにも10万シンガポール・ドル以上かかる。
同国の人口560万人に対し、車の所有者は昨年末の時点で60万人前後にとどまっていた。