毎年、数万人の人々がリビア国境を越える。欧州で、より良い機会を探そうとする紛争から逃れてきた避難民や経済移民だ。
その大部分は、リビアを抜け地中海への玄関口に向かう旅の資金を得るため、すべてのものを売り払っている。
しかし、最近はリビアの沿岸警備隊による取り締まりが行われ、海へ出られるボートの数が減っている。このため、密輸業者の手元に未処理の乗船希望者が残される。
そのため、密輸業者が主人となり、移民や難民は奴隷となってしまう。
CNNが撮影した動画は証拠品としてリビア当局に送られた。当局は調査を約束している。
不法移民の取り締まりを行っている当局の幹部はCNNの取材に対し、人身売買の現場を目撃したことはないとしながらも、国内で密輸団が活動していると認めた。
同幹部によれば、密輸業者は、金が手に入る限り、移民や難民が欧州にたどり着こうが海で死亡しようが気にしないという。
人身売買は、日々の生活を送る人々であふれた一見するとリビアにある普通の街といったところで行われている。通りでは子どもたちが遊んでいる。仕事に出かける人や友達とおしゃべりする人、家族のために夕食を作る人もいる。
しかし、人身売買の現場は、時代をさかのぼったようだ。足りないのはただ、手かせと足かせだけだ。
トリポリにある難民収容所の幹部によれば、密輸業者による虐待の話はよく耳にするという。