米軍、タリバーンのアヘン製造施設を空爆 アフガン南部
(CNN) 米軍とアフガニスタン軍はこのほど、アフガン南部ヘルマンド州でアヘン製造施設を狙った空爆を実施した。反政府武装勢力タリバーンの資金源を断つ作戦の一環とされる。
米国防総省の報道官によると、空爆は19日、同州北部のタリバーン支配地域で行われ、米軍機としてはアフガンのバグラム空軍基地からF16戦闘機、カタールのアルウデイド空軍基地からB52爆撃機が出撃した。
アフガン駐留米軍のニコルソン司令官が国防総省での記者会見で語ったところによると、アラブ首長国連邦(UAE)のアルダフラ空軍基地に配備されている最新鋭のF22ステルス戦闘機もこれに加わった。F22がアフガンに展開したのは初めて。長距離の飛行となるため、空中給油機が使われたという。作戦にはさらに、米海兵隊の高機動ロケット砲システムも動員された。
ニコルソン氏によると、米軍機が8カ所、アフガン軍戦闘機が2カ所の施設を攻撃した。このうち1カ所では、米軍のB52が2000ポンド(約900キロ)の爆弾で施設を破壊し、時価数百万ドルに相当する大量のアヘンを消滅させた。
米軍は作戦に備え、のべ数百時間に及ぶ偵察活動やアナリスト数百人による分析から標的を特定し、一般市民の巻き添え被害を最小限に抑えることを意図したという。
同氏は、アフガン国内で常時、同様の施設が400~500カ所近くも稼働していると述べ、作戦を今後も続行すると述べた。
アフガンのガニ大統領は20日、ツイッターを通してヘルマンド州での空爆を発表し、テロの資金源となっている麻薬取引に全力で立ち向かうと宣言した。