英王子と婚約のフェミニスト、王室の現実を前に沈黙か
婚約発表の記事では、マークルさんは「独立心が極めて強い」と形容されていた。結婚し、苦労して手に入れたキャリアをあきらめることで、マークルさんは事実上、夫とその一家に完全に依存することになる。
王室は、地球上で最も家父長的な制度の1つといえる。英国で王位継承に関する法律が改正されて現代化され、女性も男性と同等に王位を継承できるようになったのは、わずか数年前、ウィリアム王子とキャサリン妃の第1子が生まれる直前だった。
だが今でも女性王族はカメラの前でほほ笑み、美しく、ただし控え目な装いをして、子どもを産むことを期待される。私たちは一体どれほどの頻度で、キャサリン妃の言葉を聞くことができるだろうか。
マークルさんは、自分の人生にとって最善と信じる道を追求する1人の女性にすぎない。恋に落ちて、本物の王子様と結婚する。全米の女の子が夢見るファンタジー。
一方でマークルさんは、ヒラリー・クリントン米元国務長官らに宛てて、食器洗いは女性だけがするものと思わせるような食器用洗剤の広告に反対する手紙を書いた女性でもある。黒人と白人のハーフの米国人として育ったことについて、辛辣(しんらつ)なエッセーも執筆していた。