「米国第一」は米国にとっても有害 国連事務総長
(CNN) 国連のグテーレス事務総長は10日、CNNとのインタビューでトランプ米大統領が掲げる「米国第一」主義に言及し、この考えに基づく政策は米国自体の国益に害を及ぼすとの見方を示した。
グテーレス氏はトランプ氏の米国第一主義について、米国民の利益は国際機関でなく米国自体が守るものという前提に基づいているが、これは真実ではないと強調。「世界で起きることは米国内での出来事に重大な影響をもたらす」と述べ、米国は国際的な考え方で動く必要があると訴えた。
さらに「米国が気候変動対策や移民問題、さらにはシリアやイラク、アフガニスタン、南スーダン、コンゴ民主共和国(旧ザイール)などで起きている危機への対応にも関与することは非常に重要だ」と主張。紛争当事者への影響力や圧力を行使し、紛争をやめるよう促すうえでは米国の役割が極めて重要になりうると述べた。
米国がその地位から退けば別の国が取って代わることになるとも語り、国際機関や国際協定を否定的にみる態度は米国の国益に反するだけでなく、影響力の低下にもつながりかねないと指摘した。
同氏はまた、多くの危機では各地の紛争が互いに影響し合い、世界のテロ問題とも連動していることを強調。世界情勢とのかかわりを断つことは、米国民の安全にも悪影響を与えるとの考えを示した。