イスラエル軍、ガザからのトンネル破壊 ハマスが掘削か
(CNN) イスラエル国防軍は10日、パレスチナのガザ地区とイスラエル南部を結ぶ全長約1キロの未完成トンネルを破壊したと発表した。
国防軍報道官によると、トンネルはガザからイスラエルの領土に入り、最も近いイスラエルの村から1キロの地点で終わっていた。
トンネルは通信システムや通気口、電気などの設備を備え、強化コンクリートで固めてあった。
国防軍はこのトンネルについて、ガザを実効支配する武装組織ハマスのものと推定し、数カ月前から情報当局が監視を続けていたという。まだ完成はしていなかったものの、ハマスは間もなく出口を完成させる見通しだったと報道官は主張。「これは重大なイスラエルの主権侵害に当たる」と述べ、「ハマスのテロトンネル」と形容した。
トンネルは新システムを使って発見・破壊したと報道官は説明。爆発物は使わなかったとしているが、詳細は明らかにしなかった。破壊したトンネル内での死傷者は出なかったようだとしている。
イスラエルの主張について、ハマスはCNNの取材に応じていない。
イスラエル軍は10月にも、ガザとイスラエルを結ぶ別のトンネルを新システムを使って破壊した。この時には武装組織の数十人が死亡していた。
ガザ地区からは、イスラエルとの国境を抜けるトンネルのほかに、エジプトへ抜けるトンネルもあり、こちらは食糧などの物資搬入のほか、武器の密輸にも使われている。
2014年の衝突の際は、ハマスがこうしたトンネルをイスラエルに対する奇襲攻撃に利用。イスラエル軍は、トンネルの発見と破壊に力を入れていた。