カタルーニャ州議会選、独立派が過半数確保へ
(CNN) 独立問題に揺れるスペイン東部カタルーニャ自治州で21日、州議会(定数135)選挙の投開票が行われ、開票率99%超の時点で独立派の3政党が70議席を獲得する見通しとなった。独立運動の沈静化に注力してきたマドリードの中央政府にとっては大きな打撃となる。
スペイン政府は交渉相手としてより穏健な州政府を発足させることを狙いに、前倒しで議会選挙を実施した。前州政府はスペインからの独立の是非を問う住民投票を行ったうえ、州議会が一方的に独立を宣言。この数十年間で同国最悪の政治危機を招いていた。
計70議席を獲得する見通しの独立派3党が統治を行うためには、連立を組む必要がある。そうなった場合、中央政府と州政府の関係は、挑発的な独立派州政府が中央政府を動揺させていた3カ月前の状況に戻る可能性がある。
34議席を獲得する見通しとなった「ともにカタルーニャ」を率いるプッチダモン前州首相は、ベルギーの首都ブリュッセルで「カタルーニャ共和国が勝利した」と宣言。「スペイン政府は敗れた」と述べた。プッチダモン氏は、スペイン当局が住民投票の実施をめぐり逮捕を目指すと表明して以来、ブリュッセルに逃れている。
もう一方の独立派主要政党「カタルーニャ共和左派」に所属するマルタ・ロビラ氏も、32議席を獲得する見通しとなったことを受け勝利を宣言。支持者とともに「自由」という言葉を叫んだ。
今回の選挙の結果は、一連の混乱への中央政府の対応を明確に拒絶したものとも言えそうだ。スペイン政府は10月1日の住民投票の際、数千人の警官を動員して投票の妨害を図った。中央政府はさらに、カタルーニャ州の政府と議会を解散させ、同州の統治機構を掌握していた。