イエメンのコレラ流行、100万人に感染の疑い 安全な水も食料も入手できず
(CNN) 内戦が続くイエメンで、コレラの感染が異常なペースで拡大を続け、現代史上最悪の流行を引き起こしている。赤十字国際委員会は21日、同国でコレラの感染が疑われる患者が、今年4月以来で100万人を突破したと発表した。
赤十字によると、イエメンの人口の80%以上が食料や燃料、安全な飲料水の不足に見舞われ、治療も受けられない状況にある。それがコレラの流行拡大の一因になっているという。
コレラは急性の下痢を引き起こす疾患で、世界では年間数千人が死亡している。汚物に含まれるコレラ菌は、不衛生な食品や水を摂取することによって感染する。
2015年から続くイエメンの内戦では、数百万人が飢餓の瀬戸際にある。安全な飲料水の入手が難しくなる中、コレラが各地で蔓延した。
コレラの感染率は低下し始めているものの、医師によれば、それは短期的な現象にすぎない可能性もある。加えて、特に子どもにとっては命取りになりかねないジフテリアの流行も危惧される。
世界保健機関(WHO)によると、イエメンではこれまでに2227人がコレラのために死亡した。しかし非政府組織(NGO)の迅速な対応もあり、生存率は比較的高くなっている。