最高裁襲撃のパイロット、警察が殺害 ベネズエラ
カラカス(CNN) ベネズエラで昨年、ヘリコプターを盗んで政府機関への襲撃に使ったとされる警察捜査班のパイロット、オスカル・ペレス容疑者が15日、警察に殺害されたことがわかった。同国政府の高官が匿名を条件に、同容疑者の死亡を確認した。
国営テレビが内務省の発表として伝えたところによると、首都カラカス西郊で「テロリストの下部組織」に所属する重武装の男たちが警官らを銃撃し、爆発物を仕掛けた車を起爆させようとした。この事件で警官2人が死亡、5人が負傷し、犯行集団の5人が拘束されたという。死者や拘束者の名前は公表されていない。
マドゥロ大統領は同日、議員らへの演説の中で、「最高裁を襲撃したテログループ」を追い詰めるための作戦が実行されたと指摘。標的となった集団は自動車爆弾で大使館を襲撃するための準備を進めていたという。どの国の大使館が標的だったのかは明らかにしていない。
これに先立ち、ペレス容疑者は同日、ソーシャルメディアに投稿した動画で、自身のグループが攻撃を受けていると話していた。ライフル銃を持ち、顔に血のようなものを付けたままカメラに向かって、「こちらは撃っていないのに相手は攻撃を続けてくる」「ここには罪のない民間人たちがいるので交渉を試みているが、相手は文字通り我々を殺したがっている」と訴えていた。
ペレス容疑者は昨年6月、自身のグループを率いて司法省や最高裁を襲撃したとされる。ヘリコプターは襲撃の間、カラカス上空を旋回していた。
同容疑者は事件後に姿を消し、政府が逃走犯として手配していた。CNNスペイン語版が12日に放送したインタビューでは「現政権にひざまずいたまま死ぬよりは、未来のために戦うほうがいい」と話していた。