独社民党、メルケル首相との連立交渉開始を決定 政権樹立に追い風
(CNN) ドイツ社会民主党(SPD)は21日、ボンで開いた党大会で、メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立に向けた交渉を開始することを決定した。4カ月前の総選挙以降頓挫していた新政権樹立の取り組みにとって、重要な一歩を踏み出した形となる。
SPDはCDU・CSUとのいわゆる「大連立」に向けた正式な交渉開始の是非をめぐり採決を実施。362対279でこれを支持する決定を下した。
不支持が上回れば、メルケル首相は少数与党のみによる困難な政権運営か、再度の総選挙実施を余儀なくされていたとみられる。
ベルリンでの記者会見でメルケル首相は連立実現への期待を表明。「連立交渉で最も重要なのは、ドイツが安定した政権を築くことだ。それによって将来の問題への対処が可能になり、解決策を見つけることができる」と述べた。
SPDのシュルツ党首は、議席を大きく減らした昨年9月の総選挙後に新たな大連立を排除する考えを示していた。CDU・CSUと少数政党2党との連立交渉が物別れに終わった11月にも、改めて大連立の可能性を否定した。
しかし、政権が樹立されなければ再び総選挙が行われるとの観測が浮上するなか、シュルツ氏に対しては主張を再考し、党として連立交渉に道を開くよう圧力がかかっていた。