移民乗せたボートが沈没、数十人死亡か リビア沖
(CNN) 国際移住機関(IOM)は2日、移民らを乗せたボートがリビア沖で転覆し、数十人が死亡したとみられると発表した。IOMの報道官は「本当にショッキングな悲劇だ」と述べた。
ボートが転覆したのは1日夜。パキスタン人など推定90~100人の移民が乗っていたとされ、10人の遺体がリビアの海岸に漂着したという。IOMのリビア担当者によれば、1体はリビア人女性のもので、このほかパキスタン人数人の遺体が含まれているとの情報もある。
生存が確認されているのは3人で、2人は泳いで岸にたどり着き、1人は漁船が救助したいう。
IOMの報道官は、捜索活動は依然として続いていると説明。ただ、沈没から長時間が経過していることから、これ以上の生存者がいる可能性は非常に低いとしている。
IOMの報告によれば、海路で欧州に入った移民や難民の数は1月1日から28日までの期間で6624人。前年の同じ時期では5983人だった。1月に地中海で死亡したのは246人と、前年同月の254人から減少している。
地中海では昨年、3116人が死亡した。渡航を図る人は減ったものの、依然として世界で最も危険な移民のルートになっている。死者のうち2832人は地中海中央部を通るルートで命を落とした。
パキスタン人の移民は昨年、3138人が海路でリビアからイタリアに渡り、全渡航者(11万9369人)中、国籍別で13番目に多かった。ただ今年は既に240人が渡航し、上位3位となっている。