元スパイ襲撃、ロシアが英国の「火遊び」に警告 安保理会合
ニューヨーク(CNN) 英国でロシア人元スパイとその娘が神経剤による襲撃を受けた事件をめぐり、国連安全保障理事会は5日、会合を開いた。英政府がロシア政府の関与を指摘していることについて、ロシアは「火遊び」と警告した。
ロシアのネベンジャ国連大使は、ロシアが関与したとの主張は「フェイク」だとして英国を批判。英国の国連大使らについて「火遊びをしており、謝罪することになる」と警告した。
英国が謝罪するとはどういう意味かと会合後に聞かれた際には、英国の批判は真実ではなく、普通の人間なら謝罪するはずだと答えている。
ネベンジャ氏はまた、他国とロシアの対立を促しているとして英国を批判。「米ニューヨークにまで波及した動きを始めたのはあなた方だ」と主張した。
一方、英国のカレン・ピアス国連大使は、ロシアから講釈を受けるつもりはないと発言。シリア国内での化学兵器使用をめぐる調査をロシアが過去に妨害したと指摘したうえで、「我々が行ってきたことは全て化学兵器禁止条約に沿っている」と述べた。
元スパイ襲撃事件については、「捜査が進められている理由は誰もが知っている。英国の地で民間人の殺害未遂に軍事級の神経剤が使われたためだ」と言及。襲撃は「無謀」かつ「公衆の安全を顧みることなく」実行されたと指摘した。
事件では1カ月前、ロシア人元二重スパイのセルゲイ・スクリパリ氏と娘のユリア氏が、英南部ソールズベリーで神経剤による襲撃を受けた。英国とロシアは責任の所在をめぐり対立を続けている。