南北首脳会談へ 韓国大統領、非武装地帯入り
(CNN) 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は27日、十数年ぶりとなる南北首脳会談に臨む。両首脳は同日朝、それぞれの首都を発ち、文大統領は現地時間の午前9時少し前、統一橋を渡って非武装地帯に入った。
首脳会談は南北を隔てる非武装地帯の「平和の家」で行われ、主に朝鮮半島の非核化、平和実現、南北関係の改善という3つの議題について話し合う。
両首脳は現地時間の午前9時半、初めて顔を合わせる。現地には世界中の報道陣が詰めかけ、金委員長が軍事境界線を踏み越える瞬間を待ち構えている。
会談は午前10時20分から昼食時まで行われ、続いて両首脳が記念植樹を行う。和平と繁栄の象徴となる松の木は、南北双方から採集した土を使って植えられ、南北双方の水がまかれる。
午後6時半ごろからは晩餐会が開かれ、朝鮮半島の過去と現在、未来を描くビデオの上映も予定されている。
韓国では会談の様子が無料で生中継され、スマートフォンや公共の場に設置された巨大スクリーンで見ることができる。
両首脳が和平条約に調印し、朝鮮戦争を正式に終結させる可能性もあるとの見方も浮上している。
ただ、南北が60年におよぶ対立を乗り越えられるかどうかについて、専門家からは疑問視する声も出ている。
韓国の首都ソウルでは、青地に「和平、新たな出発」の文字をあしらったり、統一された朝鮮半島に握手の画像を重ねたりした横断幕が掲げられた。大統領府の青瓦台前でも同日、南北首脳会談を歓迎する集会が開かれている。