17歳の娘にパキスタンで結婚を強要、母親に実刑判決 英国
(CNN) 17歳の娘を英国からパキスタンに渡航させて強制的に結婚させたとして、英国で23日、45歳の女が禁錮4年半の実刑を言い渡された。
母親は旅行と思わせて娘をパキスタンに連れて行き、2倍ほども年上の親類の男と強制的に結婚させたとされる。
英バーミンガムの裁判所は22日、この女が結婚を強要する目的で被害者をだましてパキスタンへ渡航させたとして、有罪判決を言い渡していた。
被害者が自分の家族に対して不利な証言を行ったことで有罪が確定したのは今回が初めて。英国では2014年に強制結婚を禁止する法律が制定されたが、これまでに同法に基づき有罪を言い渡されたのは1人のみだった。
英政府の報告書によると、強制結婚の疑いがある事案は昨年だけで約1200件が英当局によって報告されているが、この数字は「全容を反映したものではない」という。
被害者の少女は数年前、相手の男とパキスタンで「結婚契約」を結ばされ、13歳で妊娠した。少女は英国に戻って人工妊娠中絶手術を受け、医師が福祉事務所に通報していた。
しかし母親は、娘が18歳の誕生日を迎える直前に、だましてパキスタンへ渡航させた。
少女は英内務省が手助けしてパキスタンから帰国させた。内務省などが連携する強制結婚対策組織は2005年に設置され、2017年には約1200件の事案について支援に当たっている。
国連の国際労働機関(ILO)が昨年発表した2016年の統計によると、強制的に結婚させられている人は、世界で1540万人に上る。