北朝鮮の非核化、実現に10年要する可能性 米専門家チーム
(CNN) 北朝鮮が米朝首脳会談やそのほかの交渉で非核化に同意したとしても、それを実行に移すには最長で10年かかるとの見解を、米スタンフォード大学の専門家らが28日に発表した。
非核化までの行程表を示したのは、米国の核研究施設、ロスアラモス国立研究所の元所長で、北朝鮮の核施設を査察した経験を持つ核科学者のジークフリート・ヘッカー氏と、同氏の助手を務めるエリオット・サービン氏、米中央情報局(CIA)と国務省の元職員で朝鮮半島情勢アナリストのロバート・カーリン氏。
3氏は北朝鮮が保有する核兵器やミサイル、核燃料再処理施設など、米国の交渉担当者が扱うべき具体的な項目は22件に及ぶと指摘。多くの計画や活動は1年以内に停止できる可能性が高いとしたうえで、完全に廃止したり制限を設けたりするには6~10年かかるとの見方を示した。
米国側は北朝鮮による「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」を目指しているが、北朝鮮側がこれに同意するかどうかは不透明だ。
アナリストや軍事専門家らは、交渉の複雑さや双方の不信感を理由に、非核化の合意自体を成立させるにも相当の時間がかかる可能性を指摘している。
ヘッカー氏らは、北朝鮮側の安全保障上の懸念を打ち消し、安心させるまでには15年ほどかかるかもしれないと主張。そのためには米国側の約束や合意文書だけでなく、長期間に及ぶ共存と相互依存の実績が必要になると結論付けている。