劉霞氏、出国してドイツへ 中国活動家の劉暁波氏の妻
(CNN) 中国の民主活動家で昨年死去した劉暁波(リウシアオポー)氏の妻、劉霞(リウシア)氏が10日に北京を出発し、ドイツへ向かったことが分かった。弟の劉暉(リウフイ)氏が友人らへ送ったメッセージをCNNが入手した。
劉暁波氏は昨年5月に獄中で末期がんと診断され、仮釈放を認められたものの、移送先の病院で7月に死去した。2010年にノーベル平和賞を受賞していたが、中国政府はこれに強く反発し、妻の劉霞氏を軟禁状態に置き続けた。
劉霞氏の出国は複数の情報筋が確認している。中国の李克強(リーコーチアン)首相は9日、ドイツでメルケル首相と会談したばかりだった。
劉霞氏は長年、重いうつ病に苦しんできたとされる。今年4月に公開された友人との通話の中では、泣きながら精神的苦痛を訴え、死を口にしていた。5月にも長年の友人を通してフェイスブックに声明を出し、「生きるより死ぬほうが楽だ」と嘆いていた。
複数の外国政府から中国に対し、何の罪にも問われていない劉霞氏を解放するよう求める声が上がっていた。国連の人権専門家グループも先週、劉霞氏の健康状態に懸念を示し、言論と移動の自由を認めるべきだと主張した。
ドイツ外務省は5月、劉霞氏の件で中国側と協議を続けていることを認め、本人がドイツ行きを望むなら「いつでも歓迎する」との姿勢を示していた。