小瓶入りの神経剤ノビチョク、香水と思って肌に塗る 英で死亡の女性
(CNN) 英南部エイムズベリーで神経剤「ノビチョク」に接触したとみられる女性が死亡した事件で、被害者の女性は小瓶に入っていたノビチョクを香水だと思って肌に塗り、これが原因で死に至ったことが分かった。捜査状況に詳しい関係者3人が19日、CNNに明らかにした。
ノビチョクはソ連時代の神経剤で、エイムズベリーからわずか数キロのソールズベリー市内でロシア人の元スパイが襲撃された事件でも使われていた。
エイムズベリーの事件では、死亡した女性のドーン・スタージェスさん(44)とパートナーのチャーリー・ローリーさん(45)が6月30日に病院に運ばれた。ローリーさんは今も入院している。警察によると、2人が意図的に狙われた痕跡は見つかっていない。
捜査当局は先週の時点で、ローリーさんの自宅にあった小瓶にノビチョクが入っていたことを突き止めたとしていた。
ローリーさんがどこで小瓶を入手したのかは分かっていない。
一方、ソールズベリー市内で襲撃されたロシア人の元スパイ、セルゲイ・スクリパリさんとその娘は、3月4日にベンチで意識を失っているところを発見された。警察は、スクリパリさんが自宅のドアノブを通じてノビチョクに接触したとみている。
ノビチョクはソ連が冷戦時代の1980年代、米国に対抗して開発した神経剤で、心拍数を低下させ、呼吸困難を引き起こす作用がある。ロシア国外で扱った経験をもつ人物はほとんどいない。